3月29日 世田谷区議会予算議会の第1回定例会が終了しました。
最終日の本会議では、区長の予算原案に対する修正案を提出し、自民公明など賛成34 民共など反対13で可決。
さらに、議員提出議案「区政の停滞を招いている保坂展人区長に対し議会の存在を軽視する言動を改めることを求める決議」を提出し、私からは賛成討論を行い、その後採決。賛成30 反対17で可決。
予算原案の修正は67年ぶり。震災対策を考えると区長が進めようとしている12年以上かかる本庁舎改築の一部改築の猶予はない理由から予算原案を修正。

私の討論内容は以下のとおりです。
「ただいま提出されました議員提出議案第2号
「区政の停滞を招いている保坂展人区長に対し議会の存在を軽視する言動を改めることを求める決議」について、賛成の討論を行います。
まず、保坂区長の発言であります「区議会と区政は車の両輪と言われる。真摯な意見交換をもとにして、区民生活を支える政策実現のために、区議会議員の皆さんと虚心坦懐に議論を深め、よりよき世田谷区政をつくり上げていきたい。」
昨年の5月の発言は虚しく聞こえます。
この一年の保坂区長の言動・姿勢は看過できないものがあります。今回決議に至る、このような事態は誠に残念であります。
まず、下北沢補助54号についての区長の姿勢について触れておきます。
都市計画道路の整備は、バス交通の充実や安全な歩道設置などにより、移動の円滑性を高めていく必要性とともに、平成23年3月11日に発災した東日本大震災における未曽有の大災害において、震源から遠く離れた東京においても、大量の帰宅困難者の発生や交通マヒなど、改めて認識させられた大規模地震に対する都市機能の脆弱性を解消する行政の最優先の責務です。
区は、その教訓や首都直下地震の切迫性を踏まえ、区民の生命と生活を支える都市機能を守るため、木造住宅密集地域の改善や沿道建築物の耐震化を一段と加速すること、また市街地の延焼遮断など、防災性の向上を図る都市計画道路を特定整備路線として選定し、整備を進めてきたはずです。
さらに、国連の「気候変動に関する政府間パネル」によると、地球温暖化に伴う気候変動の影響により、今後ますます台風などの熱帯低気圧の強度が増大するとともに、大雨の頻度も増加する可能性が高くなることが予測されており、災害に強い社会基盤の整備が求められているのは明らかです。
保坂区長は、54号については何度もこのように発言されてきました。
「用地取得の困難さなどから完成までに時間がかかるということですから、まずは、一期区間の整備に全力で取り組んでいきたいと考えています。
Ⅱ期、Ⅲ期区間につきましては、東京における都市計画道路の整備方針、第四次事業化計画においてお示しすることになりますが、Ⅰ期区間の進捗状況や今後の財政の見通しなどに加え、関連するまちづくりなどの影響も含めて、総合的に検討し、判断をしてまいります。」と。
特に昨年1年間。区長の考えや方針など何度お聞きしても「総合的に検討し判断する」の一点張りで、話し合う姿勢はまったく示されませんでした。
そして、昨年12月に、議会との議論もないまま、区長は、下北沢の補助54号2期3期区間は、第4次事業化計画には優先整備路線からは外すという結論を東京都に示してしまいました。
4月の選挙以降、7か月以上の期間がありながら、議会からの問いにも答えず、議論もなさず、周囲の声にも耳を傾けない、議会を無視する保坂区長の独裁的な態度は目に余るものがあります。
長年の重要な課題に対して、考えがあるのなら、結論の前に、議会とも集中して議論を行い、車の両輪として一定の方向を見出すことが首長としての行うべき責任ではなかったのでしょうか。
年が明け、今回の第1回定例会は、保坂区長が優先整備路線から外した理由と防災上最も重要な2期3期区間は放置されてしまう疑念に対して、私どもは、明確な考えを求めざるを得ませんでした。
保坂区長は、「やらないとは言っていない」「やらないとは言っていないということは、逆を返せばやるということになりますよね」と真摯な議論をする姿勢はまったく見えません。
2期3期区間の事業を優先整備路線から外した理由も、道路形状や高低差の調査や街の魅力を損ねない。話し合いなど行うために一端外したと言われますが、優先整備路線から外さなければできない事柄は一つもなく、結局、先送り、先延ばしの行為であります。議会と真正面から向き合いもせず、勝手に判断し、よって、区政を停滞させ議会の混乱を招く、その責任を区長は、何も感じてないのでしょうか。まさに弾劾に値する行為と断ぜざるを得ません。

本庁舎整備に関しても触れておきます。
そもそも、工期やコストに大きな影響があり、区民の生命と財産を守る区役所の仕事に支障を来すことが明確にもなっているにも関わらず、保坂区長の「中庭を囲む景観」や「一部保存」へのこだわりのみで、大幅な時間と税金を費やしている責任を感じているのでしょうか。
保坂区長は、今定例会で、
「一部改築か全部改築かという議論も含めて、本庁舎整備に欠かすことのできない論点については、4月からの検討委員会で幅広くオープンな議論を行うとともに区議会で十分な議論をいただいたうえで、基本構想としてまとめていきたいと思っております。」と言われ、またさらに、時間を費やすことを決めました。
検討委員会での議論や議会での十分な議論をいただいきたいと議会で表明しておきながら、2月18日のポートランドのまちづくり戦略と題したご自身のシンポジュウムでは、「世田谷区でも、下北沢の再開発(線路跡地活用や広場・道路整備)の問題や区役所本庁舎の再整備をめぐる議論など、まさに都市戦略の理念が問われています。
ポートランドで得た「暮らしやすさ」のヒントを、これからに生かしたいと思います。 どうぞ議論に加わってください。」と外に向かってアピールする。
ご自身の支援団体の主催という、自らの会で、一部保存か全面改築かを投票ならぬアンケートなどを行い、さも、区民の意見は私の思いと同じであるようなパフォーマンスを行っている。
このことを、議会で問われると、学生が勝手にやったことと言い訳をしている。
保坂区長のやりたい放題の言動は、議会を無視し、区政を混乱させていると言わざるを得ません。
そもそも、ポートランドへの視察旅費は、区長自身の私費ではなく、公費、世田谷区の税金です。公的な視察であれば、世田谷区主催での区民や議会への報告会をまず先に行うべきであったのではないでしょうか。
その他、待機児問題や社協の生活支援センターなど、保坂区長の姿勢について、多くのことを今議会で指摘いたしましたが、今後、区長には、一部のこだわりを無くし、政治の王道に立ち返ることを願うものであります。

以上で、決議に対する賛成討論とします。」